みなさんはドローとフェードを打ち分けしていますか?
筆者は上級者の糸を引くようなドローボールを見てから、捕まったドローボールに憧れるようになりました。しかし練習場で自分なりにフェースをクローズにしてみたり、気持ちインサイド・アウトにスイングしたりしてもボールは言うことを効いてくれず(泣)
どうやったら球筋をコントロールできるのか悩んでいました。
そんな筆者が一冊の本「ローポイント・コントロール」に出会って、ゴルフが劇的に変わり始めました。
本の中では、ドローやフェードの打ち方が非常にシンプルかつロジカルに説明されています。
(これまで最低100冊以上のゴルフ本を読んできましたが、この本が間違いなくドローとフェードの打ち分け方について一番明解・シンプルに解説されています)
本の内容を意識して練習に取り組み、まだまだ精度改善の余地はあるものの実際にコースで球筋を打ち分けることができるようになりました。それからはコース戦略の幅が増えてゴルフの楽しさが3倍になってます(笑)
今回は「ローポイントコントロール」の内容をご紹介しますので、一人でもボールを曲げる楽しさを知ってもらえたら幸いです!
(筆者自身の永久保存版のメモも兼ねています)
ローポイントコントロールとは?
ローポイントとは、スイングの円を正面から見たときにもっとも低い点(地面に近い点)のこと。
そしてローポイントコントロールとは「ローポイントをボールに対してどこに設定するかですべての球筋を打ち分けること」です。
”スタンスに対するスイング”を一切変えることなく、ドロー・フェードを打ち分けることができるので非常にシンプルです。
ローポイントコントロールの原理
ローポイントコントロールで球筋を打ち分けるための非常に大切な原理を整理します。
「当たり前」「知ってるよ」と思われることもあるかもしれませんが、大前提となる項目をひとつひとつ整理するとシンプルなローポイントコントロールの考え方が見えてきます。
原理① ローポイントに対するボール位置でクラブパス・入射角が決まる
ローポイントに対するボール位置(=スイングアークの中でボールをどこに置くか)で、クラブパス・入射角※が決まります。
※クラブパスとは、プレーヤーの頭上から見た時のクラブヘッドの軌跡(インサイド・アウト、アウトサイドインのこと)
※入射角とは、プレーヤーの背面から見た時のクラブヘッドがボールにアタックする角度(ダウンブロー、アッパーブローのこと)
クラブパス
まずプレーヤーの頭上から見たときに起きていることを見てみましょう。
ローポイントに対して手前(右)にボールがあるとき ↓ 必ずインサイド・アウトでインパクト
ローポイントに対して先(左)にボールがあるとき ↓ 必ずアウトサイド・インでインパクト
入射角
次に、プレーヤーの背面(背中側)から見ると次のようになります。
ローポイントに対して手前(右)にボールがあるとき ↓ 必ずダウンブローでインパクト
ローポイントに対して先(左)にボールがあるとき ↓ 必ずアッパーブローでインパクト
クラブパスと入射角はセット
上記原理から、基本的にインサイド・アウトとダウンブローはセットとなります。逆にアウトサイドインとアッパーブローもセットになります。
アイアンなど地面にボールがあるボールは、ダウンブローで打つ必要があるのでインサイド・アウトに打つのが基本となります。
ドライバーはティーアップできるので「アウトサイド・イン&アッパー・ブロー」と「インサイドイン&ダウンブロー」どちらでも打つことができます。
クラブパス、入射角ともに、ローポイントに近いほどストレートに近くなり、ローポイントから離れるほどクラブパスと入射角はきつくなることもポイントです。
(またローポイントより手前でインパクトするとロフトは立ち、一方でローポイントより先でインパクトするとロフトは寝るという事実も、ボールの出玉の高さに影響を与えます。)
原理② クラブパスに対してのフェースの開閉でボールの曲がりが決まる
そしてインパクト時の”クラブパスに対しての”フェースの開閉状態(オープン・クローズ)が、ボールの曲がりに決定的に影響を与えるという事実も重要な原理の一つです。
クラブパスに対してのフェースがクローズ ↓ フック回転
クラブパスに対してのフェースがオープン ↓ スライス回転
”クラブパスに対して”というのが肝心で、”ターゲットに対して”ではありません。そのためインサイド・アウトのインパクトでターゲットより右にでて戻ってくるドローボールを打つ場合は、アドレス時のフェースの向き(及びインパクト時のフェース向き)はターゲットより右を向いてよいのです。(下図参照)
原理③ 最終的に①ローポイントと②クラブパスに対するフェース向きの2要素により球筋が決まる
上記①②の原理の組み合わせの結果として、最終的な球筋が決まります。
下記はその例です。
例)
<アイアンの場合>
ローポイントより手前にボールをセットし(インサイド・アウト+ダウンブロー)、クラブパスに対してフェースをクローズになるようにグリップ
→【結果】右に低く出て戻ってくるドロー
<ドライバーの場合>
ローポイントより先にボールをセットし(アウトサイド・イン+アッパーブロー)、クラブパスに対してフェースをオープンになるようにグリップ
→【結果】左に高く出て戻ってくるフェード
ローポイントによる打ち分け方
前述の原理から、具体的な打ち分けの例を説明します。
ハイドローの打ち方
※ティーアップできるドライバーに限ります。
・アドレス時、フェースをクローズ気味(フェース閉じ気味)にグリップする。→クラブパスに対してフェースを”クローズ”にする準備。
・アッパー軌道でインパクトするために、ローポイントよりも先にボールを置く。
・ボールをローポイントより先に置くとアウトサイドインとなる(ターゲットより”左”に振ることになる)ため、その分プレーン自体(スタンス)をターゲットに対して”右”に向ける。
→【結果】アッパーブローで右に高く出て戻ってくるハイドローとなる
ローフェードの打ち方
・アドレス時、フェースをオープン気味(フェース開き気味)にグリップする。→クラブパスに対してフェースを”オープン”にする準備。
・ダウンブロー軌道でインパクトするために、ローポイントよりも”手前に”ボールを置く
・ボールをローポイントより手前に置くとインサイド・アウトとなる(ターゲットより”右”に振ることになる)ため、その分プレーン自体(スタンス)を”左”に向ける。
→【結果】ダウンブローで左に低く出て戻ってくるローフェードとなる
いかがでしょうか。ローポイント・コントロールでの球筋の打ち分け方は上記のとおりです。ロジックとしてはシンプルですよね。
ローポイントコントロールで重要な2つのこと
そして、ロジックどおりに実際に打ち分けるために重要となるのが「スイングのローポイントの安定」と「スイング中のフェースの安定」の2つです。
①スイングのローポイントの安定
当然ですがローポイントが安定しないと、ダウンブローに打ちたいのに、ローポイントに対してボールが手前になっていまい、アッパーブロー+アウトサイド・インになってしまいます。アイアンの場合は、程度がひどいと地面をダフってしまうでしょう。
常にローポイント一定にしてスイングできるようになることが、思い通りに球筋を打ち分けるためには重要です。
②スイング中のフェース面の安定
前述のように、クラブパスに対するフェース向きによりボールの曲がりが決まります。
思い通りのフェース向きでインパクトするために、スイング中はクラブパスに対して常にフェース角度を一定にすること※が、曲がりを安定させるには重要です。(※スイング中にクラブパスに対してフェースを開閉の動きをさせない。ドローならつねにスイングパスにたいして一定のクローズ度合いを保ち、フェードならつねにスイングパスに対して一定のオープン度合いを保つ)
(どのようにしてスクエアに保つのかについては、またの機会に記事にしたいと思います)
最後に
いかがだったでしょうか。今回はドローとフェードをシンプルに打ち分ける方法として、ローポイントコントロールをご紹介しました。
ロジカルかつシンプルなので、筆者は非常にしっくりきました。ただ、まだ曲がり幅の大小を精度良くコントロールすることはできていないので、これから練習で曲がり幅のコントロールも練習したいと思います。
本の中では、ローポイントコントロールにおいて重要となる「ローポイントの安定」「スイング中のフェース面の安定」を習得するためのドリルなども紹介されているので、興味のある方はぜひ手にとってチェックしてみてください。
ではではー!
2024/05追記:
ローポイントコントロールの著者 宮崎太輝氏による最新著作「ショットシェイピング」が発売(24年2月)されました。
ローポイントコントロールの考え方を軸に、具体的な9種類の球筋の打ち方や練習方法が解説されています。スクエアトゥジアーク(スイング中に常にフェース開閉を一定にする)の習得方法の詳しい解説もありので、ぜひこちらもチェックしてみてください!
シンプルかつ実用的で本当に素晴らしい書籍となっています。
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